蒸し暑さがふっと和らぐ夕暮れどき。店頭にいちじくやぶどう、梨など秋の果実が並び始めると、日中はまだまだ厳しい暑さの中にも、少しずつ季節の移ろいを感じます。
夏休みもそろそろ終盤。夏の名残を感じながら、食卓にもほんの少し秋の気配が届きはじめるころです。
夏の緑!モロヘイヤ
夏に旬を迎えるモロヘイヤ。深い緑と、独特の粘りが魅力の葉野菜です。
モロヘイヤは、アラビア語のムルキーヤに由来する名前といわれています。「王様の野菜」とも呼ばれ、中東にはモロヘイヤのスープを飲んだ王様の病が治ったという伝説もあるほど、古くから親しまれてきた野菜です。
β-カロテンやカルシウム、ビタミン類、食物繊維など、さまざまな栄養素を含むのも嬉しいところ。残暑厳しいころの食卓もに、たっぷり取り入れたい緑黄色野菜のひとつです。
モロヘイヤの面白さは、何と言っても自然に生まれる粘り。
さっと茹でて包丁で刻むだけでも粘りが出ますが、さらに細かく叩くように刻むむと次第にとろりとした質感へと変わっていきます。少量の水やスープと一緒にミキサーにかければ、深い緑の、驚くほどなめらかな「トロントロン」に。
今回は、このモロヘイヤならではの粘りを、麻婆豆腐のとろみに生かします。
片栗粉でとろみをつけるいつもの麻婆豆腐とはひと味違い、モロヘイヤそのものがソースのようになって豆腐とひき肉を優しく包みます。目にも鮮やかな緑色のちょっぴり驚きの麻婆豆腐です。
辛味を加えずに仕上げれば、小さなお子さまも一緒にご家族みんなで楽しめるやさしい味わい。大人はラー油や、花椒、実山椒などを後から加えて、好みの辛さや香りを楽しめます。
夏の終わりに旬の緑をたっぷりと。野菜がもつ自然のとろみまで丸ごと楽しむ大好きな一皿です。
モロヘイヤで緑のやさしい麻婆豆腐
材料(2人分)
- モロヘイヤ 1袋
- 豚ひき肉 100g
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豆腐 (木綿・絹ごしお好みで)300g
- 酒 または 紹興酒 大さじ1
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中華麹 ※大さじ1
- ごま油 小さじ1
- 水 200ml
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トッピング(お好みで) ラー油、糸唐辛子、花椒、実山椒 など適量
みじん切りにしたにんにく・しょうがを炒め、鶏がらスープの素で味を調えて代用できます。
作り方
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モロヘイヤの葉とやわらかい茎を摘み、熱湯でさっと茹でる。冷水にとって水気を軽く絞り、水100mlとともにミキサーに加えなめらかになるまで攪拌する。
※ミキサーを使わない場合は、包丁で粘りが出るまで細かく刻む。
- 豆腐は2cm角に切って耐熱皿に並べ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で2分加熱し、出てきた水分を切る。
- フライパンにごま油を入れ中火で熱し、豚ひき肉を炒める。肉の色が変わったら酒または紹興酒、中華麹を加えて炒める。
- 残りの水100mlを加えひと煮立ちさせ、豆腐を加え1~2分煮る。
- ①のモロヘイヤを加えて全体をやさしく混ぜ、ふつふつとするまで温めて火を止める。味をみて、必要であれば塩(分量外)で調える。
あると便利な中華麹
香味野菜とキノコの旨みがギュッと詰まった万能発酵調味料
材料
- 麹 100g
- 塩 30g
- 玉ねぎ 100g
- 生姜 30g
- にんにく 10g
- 干ししいたけ 3g
- 水 100ml
作り方
- 麹と塩を手でよくもみ込み、塩をしっかりまぶす。
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【A】をミキサーにかける。
※ミキサーを使わない場合は、包丁してみじん切りにする。
- 清潔な保存容器に①と②を入れ、よく混ぜ合わせる。
- 1日1回、清潔なスプーンで全体を混ぜながら発酵させる。
伊藤 由香 (いとう ゆか) 野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。